ヒトラー、ヒムラーに次ぐ、ナチス第三の男ラインハルト・ハイドリヒ。
「ユダヤ人絶滅政策」を推進し、その残虐性から
「金髪の野獣」と呼ばれた男を討つべく、憂国の志士たちが立ち上がった──。
第二次世界大戦中、最も凄惨な史実の一つと言われるハイドリヒ暗殺事件。
自らの命を犠牲にして、ナチスに立ち向かった若き男たちの戦いを描く極上の戦争サスペンス。
1941年冬、ナチス統治下のチェコ。イギリス政府とチェコ亡命政府の指令を受け、二人の軍人、ヨゼフ・ガブチークとヤン・クビシュがパラシュートでプラハに潜入した。彼らの目的は、ナチス親衛隊大将ラインハルト・ハイドリヒの暗殺、コードネーム「エンスラポイド(類人猿)作戦」だった。国内に潜むレジスタンスの協力を得て、愛する祖国の未来と平和のために、無謀ともとれる作戦に臨むヤンとヨゼフ。1942年5月27日、ついにハイドリヒを狙撃するが、彼らを待ち受けていたのは、想像を遥かに凌駕する壮絶なナチスの報復だった——。
『死刑執行人もまた死す』(43)、『暁の7人』(75)でも描かれた、“金髪の野獣”ことラインハルト・ハイドリヒ暗殺事件、通称「エンスラポイド作戦」が21世紀初の映画化!2017年チェコ・アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞など14部門にノミネートされた話題作。
キリアン・マーフィ&ジェイミー・ドーナン、旬の2人が初共演!
構想15年!綿密なリサーチと、オールプラハロケ。監督の情熱によって生まれた、圧倒的な真実性
暗殺計画の中心的存在であるヨゼフ・ガブチークを、クリストファー・ノーラン監督『インセプション』(10)『ダンケルク』(17)のキリアン・マーフィが演じ、若き軍人の静かな情熱を見事に表現しているほか、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(15)のグレイ役で世界中の女性の心を掴んだジェイミー・ドーナンが同志ヤン・クビシュに扮し、緊迫した戦時下で出会った女性との愛に揺れ動く心を繊細に演じた。
監督・脚本は、『フローズン・タイム』(06)のショーン・エリス。2001年にエンスラポイド作戦のドキュメンタリーを見たのがきっかけでこの事件を知り、以後、膨大な歴史的資料を調べあげ、本作のための準備に15年もの年月を費やし製作した。
Comments
緊迫感に揺さぶられ続けた。
ただ普通に暮らすことこそ奇跡なのだ。
今日マチ子(漫画家)
だからこそ繰り返してはいけないと、想いの強度は増していく。
本作は、映画が果たすべき機能を果たした。
中井圭(映画解説者)
拷問や死をいとわずに前へと突き進む。
そんな「真の愛国」に僕らは息を飲む。
ヘイトスピーカーの「勇姿」も口だけ。
それを知る僕らは恥かしさに赤面する。
だが何が何を引き起こすのかは未規定。
つまり「真の愛国」が国を滅ぼし得る。
その愛国は国を存続させるか滅ぼすか。
僕らもいずれ究極の選択に直面しよう。
命を賭けるかどうかの先にある問題だ。
宮台真司( 社会学者・映画批評家)
戦争がきちんと人間ドラマとして描かれる。
交錯する思惑と忖度、予期せぬ悲劇の物語は、
現代と何も変わりがないと思った。
古市憲寿(社会学者)
想像を絶する勇気とドラマにスクリーンから目が離せない。
この映画こそ歴史を風化させてはいけないと訴える大事な作品。
デーブ・スペクター(放送プロデューサー)
と悔しい気持ちになった。
しかし映画は負けざる者の味方だ。
男たちを美しく、散らせてくれたから。
松江哲明(ドキュメンタリー監督)
ジャン=ピエール・メルヴィルの傑作『影の軍隊』の残響を感じる
「レジスタンス・ノワール」。
英雄観に流されないストイックな姿勢を断固支持したい。
森直人(映画評論家)
けれど、生きてほしい。
キリアン・マーフィの静かな横顔に、
ジェイミー・ドーナンの熱い瞳に、
そう思わされた。
渡邉ひかる(映画ライター)
現代社会でも最重要問題である差別やイジメという、
偏見だけで人をジャッジし、非難する人の心に、変化と改革を起こす映画だった。
銃だけが人を殺すのではない、言葉は最も恐ろしい兵器。
伊藤さとり(映画パーソナリティ)
ということを逆説的に教えてくれる映画でした。
愛国心の名のもとに使い捨てにされていった人々の姿に心が痛みます。
紀平照幸(映画ライター)
正義のために闘うことーー。
それら大義が「果てしなき絶望」と化す衝撃に、
観終わってしばらく、心のざわめきが収まらない……
斉藤博昭(映画ライター)
実話ベースの小説をいくつか読んできたものの、
映像化された本作には衝撃を受ける。
映像として惹きこまれ、映画として魅了されながらも、
史実に眼を醒まされ、最後には歴史に打ちのめされる。
小島秀夫(ゲームクリエイター)
その凄絶な最期とともに5000人もの市民が犠牲になった。
密告、裏切り…私たちの国にもその足音が近づいている。
大谷昭宏(ジャーナリスト)
「無謀すぎる」と反対されたナチスの大将の暗殺作戦。
実話ならではのリアルな展開。そして全編すさまじい迫力だ。
田原総一朗(ジャーナリスト)
石の一つ一つにまでこだわって再現して見せた
スタッフの恐るべき情熱に拍手。
山田洋次(映画監督)